こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは産廃許可・建設業許可を専門としており、産廃許可に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。
さて、今回は産業廃棄物収集運搬業許可(産廃許可)が必要となる産業廃棄物の種類とその具体例について解説いたします。
(※特別管理産業廃棄物は除きます)
産廃業者の方々は、実際に事業をしていく中で排出されたゴミが産業廃棄物に該当するのか、それとも一般廃棄物に該当するのか事業者は判断する必要があります。
本記事ではどのようなゴミが産業廃棄物となるのか、またその具体例について解説していきますので最後までお読みしていただけますと幸いです。
産業廃棄物の種類の具体例
産業廃棄物には、大きく分けて「①全業種に該当する物」と「②特定の業種に限定される物」「③その他」があります。
全業種に該当する物とは、どのような事業の業種から排出されたゴミでも産業廃棄物の種類に該当するゴミは産業廃棄物となります。
一方、特定の業種に限定される物とは、ある特定の業種(例えば建設業等)の事業で排出されたゴミが産業廃棄物の種類に該当するときに産業廃棄物となります。
ではそれぞれの産業廃棄物の種類の具体例を見ていきましょう。
① 全業種に該当する物
全業種に該当する物は以下のとおりです。
産業廃棄物の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
燃え殻 | 事業活動に伴い生ずる石炭がら、灰カス、焼却残灰、炉清掃掃出物等 | 石炭がら、灰かす、焼却炉の残灰、炉清掃残さ物、すす、廃カーボン類、コークス灰、その他焼却かすなど |
汚泥 | 工場廃水等の処理後に残る泥状のもの、及び各種製造業の製造工程において生ずる泥状のもので、有機性及び無機性の全てのもの | 【有機性】 製紙スラッジ、下水汚泥、ビルピット汚泥(し尿を含むものを除く。)洗毛汚泥、うるしかすなど |
【無機性】 浄水場沈殿汚泥、中和沈殿汚泥、カーバイトかす、ベントナイト汚泥、めっき汚泥、ボンデかす、不良セメント、石炭かす、ソーダ灰かす、ガラス・タイル研磨かす、赤泥、建設汚泥など | ||
廃油 | 鉱物性及び植物性油脂にかかるすべての廃油 | 鉱物性油、動植物性油、潤滑油、絶縁油、洗浄油、切削油、溶剤、タールピッチ、ワックス、ろう、アスファルト、クレオソート廃液、印刷インキかす、タンクスラッジなど |
廃酸 | 廃硫酸、廃塩酸、各種有機廃酸類をはじめとする酸性廃液 | 写真定着廃液、廃硫酸、廃塩酸、各種有機無機廃酸類など全ての酸性廃液、アルコール発酵廃液、アミノ酸発酵廃液、炭酸飲料水、ビールなど |
廃アルカリ | 廃ソーダ液、金属せっけん液など全てのアルカリ性廃液 | 写真現像廃液、廃ソーダ液、金属せっけん液、ドロマイト廃液、アンモニア廃液など全てのアルカリ性廃液など |
廃プラスチック類 | 合成高分子化合物に係る固形状及び液状の全ての廃プラスチック類 | 廃ポリウレタン、廃スチロール、廃ベークランド、廃タイヤ、廃ポリマー、廃写真フィルム、合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくず(廃タイヤを含む。)など、固形状及び液状の全ての合成高分子系化合物など |
ゴムくず | 天然ゴムくず(合成ゴムは廃プラスチック類) | 天然ゴムくず、切断くず、裁断くず、エボナイトくず |
金属くず | ー | 鉄くず、空き缶、古鉄・スクラップ、ブリキ、とたんくず、銅線くず、鉄鋼、非鉄金属の研磨くず、切削くず、溶接かすなど |
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず | ガラス類(板ガラス等)、耐火レンガくず、石膏ボード、「がれき類」以外のコンクリートくずなど | 【ガラスくず】 破損ガラス、板ガラスくず、廃空ビン類、ガラス繊維くずなど |
【コンクリートくず】 コンクリートブロックくず、インターロッキングくず、石膏ボードくずなど | ||
【陶磁器くず】 陶器くず、レンガくず、タイルくず、土器くずなど | ||
鉱さい | ー | 高炉、鋳物廃砂、電炉等溶解炉かす、不良石炭、粉炭かすなど |
がれき類 | 工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた各種廃材 | コンクリートの破片、レンガ破片、ブロック破片、石類その他これに類する不要物 |
ばいじん | 大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設において発生するばいじんであって、集じん施設において捕捉されたもの(ダスト類) | 電気集じん機捕集ダスト、バグフィルター捕集ダスト、サイクロン捕集ダストなど |
② 特定の業種に該当する物
特定の業種に該当する物は以下のとおりです。
産業廃棄物の種類 | 特定の業種 | 具体例 |
---|---|---|
紙くず | ・建設業に係るもの (工作物の新築または除去に伴って生じた物) ・パルプ、紙または紙加工品製造業、新聞業に係るもの ・出版業に係るもの ・製本業および印刷物加工業に係るもの ・PCBが塗布され、または染み込んだもの | 印紙くず、製本くず、裁断くず、旧ノーカーボン紙など、建材の包装紙、板紙、建設現場から排出される紙くずなど |
木くず | ・建設業に係るもの (工作物の新築または除去に伴って生じた物) ・木材または木製品製造業 ・パルプ製造業 ・輸入木材の卸売業および物品賃貸業に係るもの ・貨物の流通のために使用したパレットに係るもの ・PCBが染み込んだもの | 建設業関係の建物、橋、電柱、工事現場などの廃木材、木材、おがくず、梱包材くず、板きれ、廃チップなど |
繊維くず | ・建設業に係るもの (工作物の新築または除去に伴って生じた物) ・繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く)に係る天然繊維くず | 木綿くず、羊毛くず、麻くず、糸くず、布くず、綿くず、不良くず、落ち毛、レーヨンくずなど建設現場から排出される繊維くずなど |
動物性残さ | 食品製造業、医薬品製造業または香料製造業において原料として使用した動物または植物に係る固形状の不要物 | 【動物性残さ】 魚・獣の骨、皮、内臓等のあら、ボイルかす、うらごしかす、缶詰め・瓶詰め不良品、卵から、貝殻、羽毛など |
【植物性残さ】 ソースかす、醤油かす、こうじかす、酒かす、ビールかす、あめかす、海苔かす、でんぷんかす、豆腐かす、茶かす、大豆かす、野菜くず、油かすなど | ||
動物系固形不要物 | と畜場においてとさつし、または解体した獣畜および食鳥処理場において処理した食鳥に係る固形状の不要物 | と畜場において処分した獣畜、食鳥処理場において処理した食鳥など |
動物のふん尿 | 畜産農業に該当する事業活動に伴って生ずる動物のふん尿 | 牛、馬、豚、めん羊、にわとり、あひる、がちょう、うずら、七面鳥、うさぎ、および毛皮獣等のふん尿 |
動物の死体 | 畜産農業に該当する事業活動に伴って生ずる動物の死体 | 牛、馬、豚、めん羊、にわとり、あひる、がちょう、うずら、七面鳥、うさぎ、および毛皮獣等の死体 |
③ その他
「①全業種に該当する物」と「②特定の業種に限定される物」以外のその他について以下のとおりです。
産業廃棄物の種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
法施行令第2条第13号に規定する産業廃棄物 | 産業廃棄物を処理するために処理したものであって、「①全業種に該当する物」と「②特定の業種に限定される物」に該当しないもの | 有害汚泥のコンクリート固形物、焼却灰の溶解固形化物など |
まとめ
今回は産業廃棄物収集運搬業許可(産廃許可)が必要となる産業廃棄物の全種類とその具体例について解説いたしました。産業廃棄物には以下の3つの種類に分けられることが今回の記事でお分かりになったと思います。
- 全業種に該当する物
- 特定の業種に限定される物
- その他
ただ、産業廃棄物の種類は細かく分かれており複雑であるので、全てを正確に分類することは難しいと思います。
以上です。ご参考になりましたでしょうか。
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