【専門の行政書士が解説!】産廃許可業者が契約時に注意すべきこと3選

こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは産廃許可・建設業許可を専門としており、産廃許可に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。

今回は産廃(産業廃棄物収集運搬業)許可業者が契約時に注意すべきこと3選について解説いたします。

実際に産廃許可を取得して、お客様(元請から依頼されるケースが多いと思います)から産業廃棄物の収集運搬を依頼されたとしても、ただ闇雲に産業廃棄物を運ぶのみではいけないのが現状です。

本記事では産業廃棄物の収集運搬の前段階における契約時にやってしまいがちなことについて、具体例とともに解説いたしますので、最後までお読みいただけますと幸いです。

目次

産廃許可業者が契約時に注意すべきこと3選

産廃許可業者が契約時に注意すべきことは、「①委託契約を書面で締結すること」、「②再委託が禁止されていること」、「③三者間契約が禁止されていること」の3つになります。

  • 委託契約を書面で締結すること
  • 三者間契約が禁止されていること
  • 再委託が禁止されていること

①~③について具体例とともに詳細に解説します。

① 委託契約を書面で締結すること

お客様(元請)から産業廃棄物の収集運搬を依頼されたら、原則として必ず書面で委託契約を締結する必要があります。

また、契約書に法定記載事項が書かれていない場合や実際に委託された内容と異なる場合には、罰則が適用されるおそれがありますので注意しましょう。
(最低限以下の項目は記載する必要があります。)

  • 委託する「(特別管理)産業廃棄物」の種類および数量
  • 運搬の最終目的地
  • 委託契約の有効期間
  • 委託者が受託者に支払う料金
  • 受託者の事業の範囲
  • 委託者の有する適正処理のための必要な事項に関する情報
  • 委託契約の有効期間中に前項の情報に変更があった場合の伝達方法に関する事項
  • 委託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項
  • 契約解除時の処理されない「(特別管理)産業廃棄物」の取り扱いに関する事項

東京都の場合は、東京都環境局が委託契約書のモデルを公開していますので、そちらを参考にして使用されてみてはいかがでしょうか。

契約書関連で他に注意すべきことについて、以下に記載いたします。

  • 契約書には許可業者(受託者)の許可証の写しを添付する必要がある
  • 契約書は契約終了日から5年間保管する必要がある(※マニフェストも同様)
  • 「収集運搬」とは別に「処分」の契約をする際は別々の契約書を作成する必要がある

※マニフェストの詳細については以下の記事を参照してください。

② 三者間契約が禁止されていること

排出事業者(委託者)は、収集運搬業者(受託者)と処分業者(受託者)が別の場合は、それぞれ別に契約を締結する必要があります。(二者間契約)

つまり、排出事業者(委託者)は、収集運搬業者(受託者)と処分業者(受託者)を含めた三者間で契約を締結するすることは原則としてできません。(三者間契約)

なお、業者(受託者)が収集運搬業と処分業の両方の許可を保有する場合には、例外的に1つの契約として、契約することができます。

引用:高崎市 産業廃棄物処理委託マニュアル

三者間契約が禁止されている背景として、産業廃棄物の処理を適正に行い、金銭の流れを透明にして、それぞれの業者に適正な料金を支払うためであると考えられています。

③ 再委託が禁止されていること

委託者と契約した受託者が、契約当事者ではない第三者に委託することはを禁止されています。(再委託契約)

なお、以下の場合は例外的に再委託が認められています。

  • 再委託基準に適合した手続きにより実施する場合
  • 受託者が改善命令・措置命令を受けた場合

再委託が禁止されている背景として、責任の所在が不明確になり、不適正な処理が誘発されるのを防ぐためであると考えられています。

別業者または系列会社等への下請け、名義貸しなども重大な違反となりますので、受託者から再委託の申し出があった場合は、必ず再委託の理由を確認するようにしましょう。

仮に不正な理由と知りながら、結果的に名義貸しや無許可営業に加担した場合は、違法行為を助けたとして、委託者も責任追及されることがあります。

なお、再々委託は例外なく禁止されているので、そのようなケースに遭遇した場合は、契約を解除し新たな業者を探しすようにしましょう。

まとめ

今回は産廃(産業廃棄物収集運搬業)許可業者が契約時に注意すべきこと3選について解説いたしました。

契約時に注意すべきことをまとめると、以下の3つになります。

  • 委託契約を書面で締結すること
  • 三者間契約が禁止されていること
  • 再委託が禁止されていること

違反してしまうと、産廃許可の取り消しや罰則の適用を受けるおそれがありますので、注意していただけたらと思います。

弊所では、産廃許可取得の手続きを代行させていただいておりますので、お気軽にお問い合わせしていただけますと幸いです。

以上です。ご参考になりましたでしょうか。

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