【専門の行政書士が解説!】(令和6年11月1日~)専任の宅地建物取引士(宅建士)の副業について

こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは不動産を専門としており、宅建業に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。

今回は「専任の宅地建物取引士(宅建士)の副業について」と題して、今まで専任の宅建士には認められていなかった副業が、令和6年11月1日から、ある特定の場合に認められるようになりましたので、どのような場合に認められるのかについて解説いたします。

昨今では副業がメジャーになりつつあり、それを認める企業が増加しています。そのような時代の中で、専任の宅建士にも、副業が特定の場合に認められるようになりました。

「宅建業免許を取得して不動産業を開業したいけど、現在勤めている会社は辞めたくない!」と考えている方は、是非本記事を最後までお読みいただきいただけますと幸いです。

※本記事は東京都の変更となりますのでご了承のほどよろしくお願いいたします。

目次

【参考】専任の宅建士とは?

宅建業免許を取得する際には、専任の宅建士を必ず配置する必要があります。それでは、そもそも専任の宅建士とはどのような人を指しているのでしょうか?

専任の宅建士とは、宅地建物取引業を営む事務所において、通常の勤務時間に常勤し(常勤性)専ら当該事務所に係る宅地建物取引業の業務に従事している(専従性)人になります。

昔は社会人として週5で事務所に勤務していれば、副業をする時間はない(する人はいない)と考えられていたのかもしれません。

もちろん現在も消費者保護の観点から宅地建物取引の公正さを確保するために、専任の宅建士が必要とされていることには変わりはありませんが、昨今の副業を認める時代の流れの変化等により今回の変更となったと考えられます。

専任の宅建士の副業が認められる場合とは?

専任の宅建士の副業が認められる場合は、原則として、通常の勤務時間外(夜間や休日など)に働く場合です。(審査あり)

つまり、原則として、通常の勤務時間外であれば副業をしても良いということになります。上記について、具体例を用いて解説いたします。

副業が認められる例
  • 例1 専任の宅建士が他の法人の代表者を兼務する場合
  • 例2 法人事業者の専任の宅建士が個人で別の事務所を営む場合

それぞれ詳細を解説いたします。

例1 専任の宅建士が他の法人の代表者を兼務する場合

他の法人の代表者の業務が宅建業事務所の通常の勤務時間外にのみ行われることが確認できる場合に副業が認められまることになります。

ただし、当該他法人において、代表取締役が1名のみである場合は非常勤と見なされず、他法人の営業時間中に宅建業事務所の専任の宅地建物取引士に就任することは認められません。

例2 法人事業者の専任の宅建士が個人で別の事務所を営む場合

該当の法人とは別の事務所の業務が宅建業事務所の通常の勤務時間外にのみ行われることが確認できる場合は、副業が認められることになります。

専任の宅建士の副業が認められない場合とは?

副業が認められない例
  • 例1 副業が他の法令に反する場合
  • 例2 宅建業事務所への通常の通勤に支障を来すおそれがある場合
  • 例3 同業他社に従事者として勤務する場合
  • 例4 その他、社会通念上、副業が宅地建物取引業の業務に支障を来すおそれがある場合等

例2、3について詳細を解説いたします。

例2 宅建業事務所への通常の通勤に支障を来すおそれがある場合

副業先が遠隔地にあり、副業先への移動時間が宅建業事務所の通常の勤務時間に含まれると考えられる場合には、副業は認められません。

例3 同業他社に従事者として勤務する場合

利益相反等の懸念が生じ、宅地建物取引業の秩序が乱れるおそれがあるためです。

審査に必要な提出書類

専任の宅建士が副業を認められるには、審査に必要な書類を提出する必要があります。

  • 専任の宅建士の職歴の記載に副業先を追記した略歴書
  • 誓約書(副業が宅地建物取引士の通常の勤務時間における常勤性・専従性に支障を来さないことを誓約する文書)
  • 宅建業事務所において専任の宅地建物取引士として業務に従事していること(専従性)の分かる公的書類(健康保険証等の写し)

※その他、必要に応じて追加資料を提出を求められる場合があります。

【補足】事務所の形態について

副業にかかる事務所を住宅の一部又は一つの事務所に併設する場合は、以下の記事を参照してください。

まとめ

今回は「専任の宅地建物取引士(宅建士)の副業について」と題して、副業が認められる場合・認められない場合を解説いたしました。

宅建業免許を取得して不動産業を開業したい方は、是非本記事を参考にしてスモールスタートからでも始めてみてはいかがでしょうか?

以上です。ご参考になりましたでしょうか。

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