こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは産廃許可・建設業許可を専門としており、産廃許可に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。
晴れて産業廃棄物収集運搬業許可(産廃許可)を取得し、ホッと一安心する気持ちになると思いますが、更新申請まで何もしなくても良いわけではありません。
産廃許可取得後に対応しなければならないことがいくつかありますので、本記事ではその内容について解説いたします。
対応を失念すると罰則が科せられてしまい、許可が取り消されてしまう可能性もありますので是非最後までお読みいただけますと幸いです。
産廃許可取得後に実施する必要のあること
産廃許可取得後に実施する必要のあることは、主に以下の5つがあります。
- 運搬車両への表示義務
- 書類の携帯義務
- 帳簿の作成義務
- 産業廃棄物管理票交付等状況報告書の提出
- 各種届出
ではそれぞれの実際にどのようなことを実施する必要があるのか具体的に見ていきましょう。
① 運搬車両への表示義務
産廃許可業者は、運搬車両に業者票(以下3つ)を表示をする必要があります。
- 「産業廃棄物収集運搬者」の表記
- 許可業者名
- 統一許可番号(下6桁)
具体的には以下のとおりです。
文字の大きさが指定されていたり、車両の両側面に表示する必要がある等注意点がいくつかありますので気を付けましょう。
② 書類の携帯義務
産廃許可業者は、以下2つの書類を運搬車両に備え付ける必要があります。
- 許可証の写し
- (電子)マニフェスト
許可証の写しは、許可行政庁から届くので特に問題ないと思いますが、マニフェストについては聞きなれない言葉であると思いますので解説いたします。
マニフェストとは、「産業廃棄物管理票」とも呼ばれ、どのような産業廃棄物をどこに運搬したのかをその都度管理したものであると言えます。(以下イメージ図)
マニフェストに記載する必要のある項目は以下のとおりです。
- 管理票の交付年月日及び交付番号
- 運搬又は処分を委託した者の氏名又は名称及び住所
- 産業廃棄物を排出した事業場の名称及び所在地
- 管理票の交付を担当した者の氏名
- 運搬又は処分を受託した者の住所
- 運搬先の事業場の名称及び所在地並びに運搬を受託した者が産業廃棄物の積替え又は保管を行う場合は、当該積替え又は保管を行う場所の所在地
- 産業廃棄物の荷姿
- 当該産業廃棄物に係る最終処分を行う場所の所在地
- 中間処理業者(排出事業者が紙マニフェストを使用している場合)にあっては、交付又は回付された当該産業廃棄物に係る管理票を交付した者の氏名又は名称及び管理票の交付番号
- 中間処理業者(排出事業者が電子マニフェストを使用している場合)にあっては、当該産業廃棄物に係る処分を委託した者の氏名又は名称及び規則第八条の三十一の五第三号に規定する登録番号
- 当該産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その数量
書面のマニフェストではなく、電子マニフェストを利用している場合もおおむね上記と同様の情報を直ぐに確認できる状態にしておく必要があります。
③ 帳簿の作成義務
産廃許可業者は、帳簿を作成する必要があります。
帳簿には、収集または運搬年月日、マニフェストの交付者・交付日・交付番号、受入先ごとの受入量、運搬方法および運搬先ごとの運搬量は必ず記載する必要があります。(以下イメージ図)
なお、帳簿は様式(フォーマット)の指定は特に無いので任意で問題ありません。
④ 産業廃棄物管理票交付等状況報告書の提出
産業廃棄物管理票交付等状況報告書は、排出事業者が前年度1年間に交付したマニフェストの交付状況等について、事業所ごとに報告書にまとめて、毎年6月30日までに都道府県知事等へ提出するものです。
東京都の場合は以下図の産業廃棄物管理票交付等状況報告書を都庁に提出する必要があります。
注意事項(産業廃棄物管理票交付等状況報告書)
- マニフェストを交付した場合は、量の多少に関わらず報告書の提出が必要です。
- 八王子市の事業場でマニフェストを交付した分は八王子市に提出する必要があります。
- マニフェストを全く交付しなかった場合は、報告書の提出は不要です。
- 産業廃棄物管理票交付等状況報告書事業場単位する必要があります。
他の詳細情報は以下をクリックしてください。
⑤ 各種届出
産廃許可業者は、登録事項に変更が生じた場合は許可を受けた行政庁(都庁等)に届出をする必要がある項目があります。
例えば、法人の名称、所在地、代表者、運搬車両の変更等があった場合です。その他の変更事項の詳細については、以下の記事に一覧を掲載していますのでご参照してください。
まとめ
今回は「産廃許可取得後に何かすることはある?」と題して、産廃許可取得後に対応しなければならないことについて解説いたしました。
まとめると以下の5つを実施する必要があります。
- 運搬車両への表示義務
- 書類の携帯義務
- 帳簿の作成義務
- 産業廃棄物管理票交付等状況報告書の提出
- 各種届出
対応を失念すると罰則が科せられてしまい、許可が取り消されてしまう可能性もありますので注意しましょう。
以上です。ご参考になりましたでしょうか。
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